「ブライドルレザー」 「ブライドルレザー」と呼ばれている革があります。 イギリスで加工されたものが一般的なようで「UKブライドル」なんて売られていたり表示されています。 蝋やオイルなどを混ぜたものに漬け込んで加工したヌメ革です。 よくブライドルレザーの製品で蝋の白いうきがでているものを見かけます。 この白いうきは「ブルーム」とよばれています。 乾拭きしますと蝋がとけて見事な艶になります。 ただ現在baianoで手に入るものは少ないです。 ブルームなしのブライドルレザーで色も3色しかありません。 値段もbaiano定番のヌメ革に比べてかなり高いです。 防水に優れているということですが、製作前に実験したところでは完璧な防水効果ではありませんでした。 長く使っているうちに染み出てくるようです。 ただしっとりとした手触りはいい感じは格別。 経年変化を楽しむにはおすすめです。 蝋を染み込ませてある分、製作にはちょっと困ったことが・・・。 ボンドなどの接着が甘いような気がします。 カスタムのないケースはあまり気にならないのですが パイソンカスタムなどを施した0501の特にフタの部分はよく動くので お使いいただくうちに接着がはがれやすくステッチをかけていない部分が 浮き上がることがありました。 ブライドルレザーをご希望の場合は他の革とのカスタムはあまりおすすめできません。 お手入れですが乾いたやわらかい布で磨いていただくだけで蝋の効果で艶がでます。 摩擦熱で蝋が溶けコーティングしてくれるというわけです。 基本的にはヌメ革ですのでヌメ革用の保革防水スプレーで汚れ防止をするとさらによい状態でお使いいただけるかと思います。 こちらはUKブライドルレザーのダークブラウンで製作したケース。 矢尻型のコンチョや革ひものビーズなどはお客様のオリジナル。 見た目には蝋加工のないヌメ革と同じように見えますが 触ってみると違いは明らか。 しっとりぬめっとした感じがあります。 気温によってもまたその感触が変わってきます。 下の画像左はUKブライドルレザー黒、右はUKブライドルタンで製作したケース。 タンとは色名です。 「国産のブライドル加工」をしていただけると聞き、そちらも試してみました。 革1枚の値段は通常1デシ(10㎝x10㎝)で単価があり半裁(1頭の半身)の大きさをデシで計算して決まります。 国産ブライドル加工は1デシ30円程度をプラスすると加工してくださるとのことでした。 ヌメ革の薄茶100デシ程度の大きさのものにお願いしてみました。 頼んでから20日ほどかかり到着した革は両面に蝋加工がしてあります。 蝋の霧を吹きつけた感じで革の色がわからないほど白く粉がかかったよう。 UKブライドルのように革に染み込ませたものとは感じが違いました。 あきらかに表面だけって感じ。 布で磨いただけでは中までしみこむことはなく、防水効果もイマイチ。 ドライヤーをある程度離して当てると蝋が溶けて革の色がみるみるはっきりしますが、 防水効果は蝋がむらになるためか思ったほどでもありませんでした。 その後いろいろ失敗をして試行錯誤して、低温でアイロンをかけては磨くの作業を繰り返すと抜群の防水効果になることがわかりました。 磨けば磨くほど光沢もでてきました。製作前にかなりの行程ですがその価値はありそうです。数々の失敗も今後に生きるかも(^.^) ※ただ今はUKブライドルレザー(色はタン・ダークブラウン・黒3色)のみカスタム可能です。 |